患者さんの表と裏を見逃さない

患者さんの表と裏を見逃さない

この話をするのは私自身すごくつらいのですが、患者さんがときおり見せる表と裏には本当に困ります。

相手が医師だとペコペコして、看護師だとまるで召使いか何かのように横柄な態度をとる方がいるのです。

看護師も人間ですからやはりこういう患者さんにはできるだけ担当したくないと考えるものです。

先日もこんなことがあったのです。

消化器内科に入院している75歳の男性患者さんが臀部に腫瘍ができたので皮膚科を受診することとなりました。

この患者さん認知症も進んでいることもあるのですが、いわゆる下ネタで看護師を困らせては自分では楽しむという変な癖があって、看護師の間でもブラックリスト入りしている患者さんです。

そしてなぜか私がこの患者さんの担当となってしまったのです。

そして皮膚科の女性医師の前まで連れていき、医師の「はい、ではズボンを脱いで横になってください」の言葉に彼は「下腹部が小さくてすみましぇ?ん」と大声で叫ぶのです。

いつも看護師にはもっとダイレクトな男性器の呼称を叫ぶのに、医師の前では「下腹部」というのです。

一般の方は男性自身をストレートに呼ぶのか下腹部と呼ぶのかにただ表面的な言葉の違いを認識するだけでしょうけれども、私たちは発せられる言葉の意識、どんな意識と思いがあって患者さんがその言葉を発するのかということまで考えています。

言葉は使う人の意識の表れなのです。

ですから使われた言葉以上にそのことばを選んで発せられた意識を重視します。

この患者さんは認知症であるということを考慮する必要はありますが、医師の前ではなぜ「下腹部」という言葉を選ぶのか?

これを見逃してはなりません。

つまり医師の前では自分をさらけ出さずに、看護師の前ではさらけ出しているとも考えられます。

2013年11月30日|